BACK

スキンケア

紫外線でシミもシワもつくりたくない!日焼け止めの効果的な使い方

2022.08.23

日焼け止めとは

晴れの日も、曇りの日も、雨の日も、紫外線は毎日肌に降り注いでいます。日陰に隠れても地表面で反射された紫外線を、家の中にいてもガラスをすり抜けた紫外線を浴びています。

紫外線は、シミ・そばかす・シワ・たるみの原因となる肌の大敵です。日焼け止めで紫外線対策をしている方は多いと思いますが、気が付けば、うっかり日焼けしていたという経験をされた方も多いのではないでしょうか。今回は、日焼け止めの正しい選び方や塗り方をご紹介します。紫外線対策の効果を高めて、肌をしっかり守りましょう。

目次

日焼け止めの役割とは?

日焼け止めには、紫外線や外的刺激から肌を守る役割があります。紫外線は肌の老化を促進させ、シワ・たるみ・シミ・そばかすの原因となるもの。肌の健康バランスも崩し、ニキビや毛穴汚れまで起こしてしまいます。健やかな肌をキープするためには、紫外線から肌を守る日焼け止めが欠かせません。しっかり日焼け止めの効果を出すには、まずは紫外線を理解することから始めましょう。紫外線は、波長の長い順番にA波・B波・C波の3種類あり、波長が長いほど皮膚を透過しやすくなります。このためA波とB波が日焼けを起こす原因となります。

日焼け止めの効果を示す「SPF」と「PA」

紫外線は3種類

  • ・紫外線A波(UVA)

UVAは、地表に降り注ぐ紫外線の約9割を占め、雲や家の窓ガラスも透過してしまうため「生活紫外線」とも呼ばれます。このUVAは透過性が高いため表皮だけでなく、肌のより深いところにある真皮にまで達します。そして、真皮周辺の細胞を変性させて、活性酸素を発生させます。その結果、真皮に存在するコラーゲンやエラスチン組織を破壊したりするため、肌の弾力が失われ、「シワやたるみ」をひきおこします。

  • ・紫外線B波(UVB)

もうひとつはUVBです。「レジャー紫外線」ともよばれます。UVBは、角層の下の、表皮まで届きます。肌の奥の真皮層まで達することはほとんどありませんが、UVAより強いエネルギーを持つ紫外線です。肌表皮の細胞にダメージを与え、赤い炎症を起こしたり(サンバーン)、メラニン色素が沈着して褐色になったり(サンタン)、シミやソバカスの原因にもなります。

  • ・紫外線C波(UVC)

紫外線C波はオゾン層でガードされます。私たちの肌に届かないので対策を考えなくても問題ありません。

日焼け止めの効果を示す「SPF」と「PA」

日焼け止めの効果を示す「SPF」と「PA」

「SPF」は紫外線B波を防止、「PA」は紫外線A波を防止

ところで日焼け止めにSPFやPAと書いてありますよね?それぞれの意味をご存じでしょうか。実は シミやソバカスの主な原因となるUVBを防ぐ指標はSPFの値で、数値が高いほどUVBを防ぐ効果が高いことを示します。日本では「SPF50+」が国内最高の値です。そして、光老化の原因となるUVAを防ぐ指標はPA値とよばれています。PAのあとに続く+が多いほど防止効果が高いことを示します。日本では「PA++++」が国内最高の値です。

シチュエーションに合わせて日焼け止めを選べば効果的

「SPF」と「PA」の数値が高いものは、肌への負担も高くなることもあります。特に乾燥肌や敏感肌の人は、パッチテストをする等で、自分の肌にあったものを選ぶようにしてください。 以下のように、使用シーンに合わせて日焼け止め製品選ぶのもコツと言えるでしょう。

  • ・日常生活(散歩や買い物)/SPF10~20・PA+~++
  • ・屋外での軽いスポーツやレジャー/SPF20~30、PA++前後
  • ・炎天下のレジャーやマリンスポーツ/SPF30~50+、PA++++

もったいない日焼け止めの使い方

気づかないうちについやってしまっている“もったいない日焼け止めの使い方”をご紹介します。日焼け止めは正しい使い方をしないと効果が充分に発揮されず、「日焼け止めを塗っても日焼けをする」というもったいない結果になってしまいます。

ベタつかない量に抑えて塗る?

ベタつきを気にして日焼け止めの使用量を減らすと、紫外線をカットする充分な効果を得ることができません。顔に塗る適正量は、環境省が発行する『紫外線環境保健マニュアル2015』によると、クリームの日焼け止めならパール粒1個分、液状の日焼け止めなら1円硬貨2個分と言われています。

顔につける前に手のひらですり合わせる?

日焼け止めはムラなく均一に塗ることが大切です。手のひらに日焼け止めをとって、化粧水のように手ですり合わせてから顔に塗ると、ムラができてしまいます。日焼け止めは、指にとって顔の5か所(両頬・額・鼻・あご)に置きましょう。頬は中心から外側に伸ばし、額は中心から髪の生え際に伸ばします。同様に、目もとは目頭から目尻に、鼻筋は上から下に、あごは中心からフェイスラインに伸ばします。それぞれ指の腹で丁寧に馴染ませていくとムラになりにくく、塗り忘れも防止できるでしょう。

外出するときだけ塗る?

紫外線は窓ガラスを通過するため、家の中にいても日焼けをします。つまり、外出の前に塗るだけでは不十分と言えます。朝のスキンケアの一環として日焼け止めを塗る習慣をつければ、うっかり日焼けを防ぐことができるでしょう。なお、曇りの日も雨の日も、紫外線は肌に届いています。どんな天気でも紫外線がゼロになることはないので油断せずにケアを続けましょう。

保湿ケアをしないで塗る?

保湿ケアを充分にしないまま日焼け止めを塗ると、うるおいのバランスが崩れてしまいます。化粧水の後は、乳液などでうるおいを閉じ込めておくなど、日頃の保湿ケアを万全にしたうえで日焼け止めを使いましょう。

まったく塗り直しをしない?

「SPF」にもよりますが、2~3時間おきに日焼け止めを塗り直すことで効果が持続します。首のうしろ・耳・髪の生え際・小鼻のわき・眉間・まぶた・フェイスラインなどの塗り忘れに注意しましょう。

まとめ

紫外線にはA波とB波があり、「SPF」は紫外線B波を防止、「PA」は紫外線A波を防止するものだとご理解いただくとともに、使用シーンに合わせて日焼け止め製品を選ぶことを心がけてください。紫外線は、しみ、ソバカスといった目に見える肌悩みだけではなく、肌内部にダメージを与え、肌の老化を加速させます。 また「適正量を塗る」「家の中にいるときも塗っておく」「ムラなく均一に塗る」「こまめに塗り直す」といったことも、うっかり日焼けを防止するためには欠かせません。「日焼け止めを塗ったのに日焼けをしてしまった」というもったいない状況を上手に回避して、大切な肌を紫外線から守りましょう。

竹内医師

監修 竹内 想 たけうち そう

国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積みました。その後、大学病院に戻り、皮膚科医としてクリニックでの外来や臨床研究を行っています。AGAを含めた、自由診療の治療にも多く携わってきた経験を活かし、皮膚科の知識について、みなさんに分かりやすく理解していただけるよう、正確さやわかりやすさを心がけた情報発信を行なっています。

記事をシェアする

TOPに戻る